10代のメンタルが危ない――。
2021年、ユニセフは世界の10~19歳の若者の7人に1人以上が心の病気の診断を受けていると報告し、米国のCDC(疾病予防管理センター)は2023年、10代のメンタルヘルス問題は「国家的危機」とまで警告した。日本でも2022年に自殺した小中高校の児童・生徒は過去最多となっている。 そんな“危機的状況”のなか、東大合格者数1位の座を42年間にわたって守る超進学校、開成中学校・高等学校校長を2020年まで9年務めた東大名誉教授の柳沢幸雄氏が、「中高生に一度は手に取ってもらいたい」と語る一冊がある。世界的ベストセラー『スマホ脳』の著者で精神科医のアンデシュ・ハンセン氏が上梓した『メンタル脳』(新潮新書)だ。